Google Analytics 活用方法:成果をアップする3つのステップ

「売れる」ウェブサイトを手に入れるため、最初に知っておくべきこと
成果の出ている「売れる」ウェブサイトが持つ、5つの要素をご存じですか?ウェブサイトを作るなら、まず初めにこれを確認して下さい。
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今以上に多くの購入や申し込みといった成果を得たいとお考えなら、今以上にターゲットに刺さるコンテンツの準備が必要です。そのためには複数のコンテンツをテストし、よりパフォーマンスの高い方を採用していかなければなりません。

ただ、テストを行う際には明確な判断基準が必要です。判断基準が無い・あるいはあいまいなために正解にたどり着けず、迷走しているケースが多々あります。

そこでこのコンテンツでは、Google Analytics という明確な判断基準を使って成果をアップする方法を解説します。

成果アップにアナリティクスが必要な理由

Google Analytics(以下、「アナリティクス」と表記)とは、簡単に言えばウェブサイトにアクセスしてくれた人の数をカウントし、どういう経路を辿っていったかを可視化してくれるツールです。

アナリティクスを活用すれば、ウェブサイトの状態が手に取るように分かる様になります。今のウェブサイトは、売れるサイトか、否か。もっと多くの成約を得るためには何をすべきか…こういった点が明確になります。

つまり、集客やセールスに力を入れたいと思っているならアナリティクスは「使う」の一択となる訳です。

成果の判断基準となる2つの数値

集客/セールス目的のコンテンツで、成否を判断する数値は2つあります。それはアクセスと成約率です。アナリティクスを使えばこれらの数値はデイリーで把握することが出来るので、現状分析が容易になります。

現状分析が容易になれば、誤った分析を行うリスクが減る。分析の精度が上がれば改善策もブレづらくなる。よって改善のスピード/質ともに向上するという訳です。

経験もスキルも不要!問題を可視化する3つのステップ

アナリティクスを使うメリットについては何となくイメージが湧いたでしょうか?とは言え、具体例が無いと具体的なイメージは湧かないと思うので、下記の条件で考えていきましょう。

…そこらでよく見かける、受注目標です。ここから分かることは、何でしょうか?

  • 月間目標:毎月10名の新規申し込み
  • 月間実績:2名

STEP1:アクセス数と成約率を把握する

上の例で分かることは、目標と実績(達成率20%)だけ。これだけでは現状分析も出来ませんし、改善策も出せません。でももし、アクセス数を把握出来ればどうでしょう?

仮に月間アクセス数が1,000だったとしましょう。すると、何も見えてこなかったデータは下記のように変わります。

※このテーブルは、横にスクロールします。

項目 数値
月間アクセス総数 1,000
月間目標 毎月10名の新規申し込み
月間実績 2名
成約率 0.2%

アクセス数が分かれば、自ずと成約率も算出出来ます。アクセス数は、アナリティクスを使えば誰でも入手可能。これで正確な現状分析を行い、適切な改善策を導くための入り口に立つことが出来ました。

STEP2:アクセス数と成約率を「相場」と比較する

アクセス数と成約率が把握出来たことにより、何となく問題が見えてきました。では、何をどう改善すれば良いでしょうか?お答え下さい。

…と言われると、「未だ何かが足りない」と思ったのではないでしょうか?

そう感じたのなら正解です。そもそも現状のアクセス数と成約率が妥当なレベルか否かが分かりません。今のままでは改善点が何か特定出来ないのです。

そこで次のステップは、現状のアクセス数と成約率が妥当か否かを判断する「相場」を把握していきます。

相場①:成約率

まずは成約率の相場について解説します。

一般的に、ネット上のセールスではアクセス数の2~3%成約出来れば優秀だと言われています。ここから必要なアクセス数を単純に計算すれば下記の通りとなります。

    成約率の相場とアクセス数の関係

  • 成約率1%なら0.01X=10なので毎月1000アクセス。
  • 成約率2%なら0.02X=10なので毎月500アクセス。
  • 成約率3%なら0.03X=333.33…なので毎月334アクセス。

※【注記】最初のうちは、基準値を「成約率1%」と控えめに見ておいた方が良いです。 その理由は、成約率以外の問題点にも目が向くから。視野が広くなるのでより精度の高い改善策が見えてきます。

例えば「月間成約件数10件、成約率1%」を目標値に設定した場合、必要な月間アクセス数は「1,000」です。この位なら出来そうに見えますが、目標値によっては絵空事になってしまう場合があります。そこで、次の相場を見ていく必要があります。

相場②:アクセス数

成約率の相場が明確になったことで、必要なアクセス数が見えてきました。

上の例では 「月間成約件数10件、成約率1%」という目標を達成するために算定したアクセス数は「月間1,000」でした。この数字は、妥当なものでしょうか?

実は、アクセス数の相場は成約率のように明確ではありません。その理由は、アクセス数はコストの掛け方によって激変するから。一般的には、広告を出す方がより多くのアクセスを集められます。広告の質や広告費の多寡により、その差はさらに大きくなります。

とは言え、何の判断材料もないということではありません。業界平均のセッション数※と必要なアクセス数を比較することである程度の目安を把握出来ます。業界平均のセッション数は、アナリティクスの「ベンチマーク」から確認出来ます。ちなみに、「セッション」の意味は下記の通りです。

サイトやアプリでユーザーが操作を行っている時間のことです。ユーザーが 30 分以上操作を行わなかった場合、それ以降の操作は新しいセッションと見なされます。サイトを離れたユーザーが 30 分以内に同じサイトに戻ってきた場合は、同じセッションとして扱われます。

アナリティクス ヘルプ

「セッション」と「アクセス数」は厳密にはイコールではありませんが、この段階ではイコールと捉えて構いません。

アナリティクスでベンチマークからあなたの業種を選び、最下層のグループから順次平均セッション数を確認してみて下さい。最下層、あるいは下から2~3番目のグループの平均セッション数が目標アクセス数(ここでは1,000)を超えているなら、それは現実的な目標(相場)となります。

ベンチマークの確認方法は、下のガイドを参照して下さい。

ベンチマークについて:アナリティクス ヘルプ

STEP3:導線ごとのアクセス数を把握し、具体的な改善部分を特定する

ここまでで成約率とアクセス数における①実績値②相場の2点を把握出来ました。その結果、何が足りていないかも把握出来ました。では、今後具体的に何をすれば良いか特定出来ましたか?

「でも未だ、何かが足りないような…」そんな気分になっているのではないでしょうか。

そう思ったなら、正解です。そしてここまでの情報だけで対策を講じようとするのがよくある失敗例です。

足りない情報は、具体的にウェブサイトのどの部分が足を引っ張っているのか。つまり最初にアクセスしたページに問題があるのか、申し込みページに問題があるのかが分からないということです。

では、問題のある部分を特定するにはどうすれば良いでしょうか?その答えが、導線ごとのアクセス数を計測することです。

導線とは、「閲覧者がウェブサイトにアクセスしてから、目標達成までに辿る経路」を指します。例えば、一般的な「ホームページ」ではこのような導線で成約を狙っているケースが大半です。

※このテーブルは、横にスクロールします。

STEP 対象ページ
1 トップページ
2 商品・サービスの紹介ページ
3 申し込みページ
4 申し込み

これらのページ全てのアクセス数が計測出来ていればどうでしょうか?例えば、こんな数字が出ていれば?

※このテーブルは、横にスクロールします。

STEP 対象ページ アクセス数(月間) 総アクセス数比(%)
1 トップページ 1,000 100%
2 商品・サービスの紹介ページ 100 10%(100÷1,000)
3 申し込みページ 5 0.5%(5÷1,000)
4 申し込み 2 0.2%(2÷1,000)

これでようやく全体が見えてきました。ざっと目を通してみると、トップページから先のページ(商品・サービスの紹介ページ以降)を閲覧している人が少ないということに気付くと思います。

ですが、これも相場が分からないので上の表の数値が良いか悪いか判断出来ないですよね。そこで、2つ目の相場について知っておきましょう。

相場③:直帰率

直帰率とは、「閲覧者がサイトに訪れた最初のページだけを見てそのサイトを去ってしまったパーセンテージ」のこと。

直帰率の高低とページのクオリティは必ずとも比例しません。だから直帰率が高い=ページのクオリティが低いとは一概には言い切れないのですが、基準となる値は存在します。

デジタルマーケティングのトレーニングサービスを提供しているCXLは、「直帰率のベンチマーク」を公開しています。それによると、直帰率の目安は下記の通りです※

  • 「仕事と教育」ジャンルのウェブサイト:49.34%
  • 「ビジネスと産業」ジャンルのウェブサイト:50.59%

ここでは、上記2ジャンルの平均値である「直帰率50%」を基準としておきましょう。

※【注記】他の業種のデータが見たいという方は、下記CXLの記事を一読してみて下さい。

直帰率のベンチマーク:CXL

相場が分かったところで上の例を改めて見てみましょう。

トップページから商品・サービスの紹介ページへの移動率は1/10。つまり90%は直帰しているということになります。相場が50%ですから、この数値はかなり悪い。つまり、商品・サービスの紹介ページへの誘導が弱いということが分かります。

ここまで数字が把握出来れば、具体的な改善策が見えてきます。ちなみにこれは、絵空事ではありません。アナリティクスを使えば、このように全ての数字を可視化することが出来るのです。

早速実践してみよう

さて、理論はこの位にして実践に入っていきましょう。具体的な作業項目は、下記の通りです。

①(アナリティクスを使ったことがなければ)アナリティクスを使う準備をする。

下のガイドに従い、アナリティクスを使う準備をしましょう。

アナリティクスのスタートガイド:アナリティクス ヘルプ

②アナリティクスのデータをもとに、アクセスと成約率を計測する

最初はグローバル サイトタグ(トラッキングID)をサイトに埋め込むだけでも構いません。まずは現状を把握しましょう。
グローバル サイトタグを埋め込む方法は、下のガイドを参照して下さい。

Google アナリティクスのグローバル サイトタグを設定する: アナリティクス ヘルプ

③購入や申し込みに至る導線を確認する

上の例を参考に、あなたのサイトで購入や申し込みに至るまでのルートを書き出してみましょう。

特にホームページ型のウェブサイトを運営しているなら、ランディングページからコンバージョンに至るまでの導線設計こそが最も重要なポイントになります。現在の導線をキッチリ把握しておきましょう。

④目標を設定する

下のガイドに従い、目標を設定しましょう。

目標を作成、管理する: アナリティクス ヘルプ

設定した目標をアナリティクスで計測することにより、導線のパフォーマンスが分かります。精度の高い現状分析を行えるので、更に上の成果を生み出すための具体的な改善策を知ることが出来るのです。このコンテンツを参考に、アナリティクスを導入してみて下さい。


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松浦 臣吾
マーケティングプロデューサー/コピーライター。STRATEGY SUPPLIER在籍。神奈川県在住。継続性にフォーカスしたマーケティング戦略の立案と実践を得意とする。成長し続けるビジネスの設計図「Business Design Method」を公開し、ビジネスオーナーへの精力的なサポートを行っている。
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