
ビジネス目的でウェブサイトを運営する場合、「投稿とは、広告/カスタマーサポートだ」と説明しましたが、どちらの場合であっても、相手が納得する内容でなければなりません。
ほとんどの場合、人は決断を下す際の根拠を気にします。その根底には「失敗したくない」「周囲の人間に間違っていると思われたくない」という感情があるからです。
つまり、商品・サービスを購入してもらう時も、商品のリピートやサービスを継続利用してもらう時も、必要になるのは「自分の判断は正しい」と相手に感じて貰うこと。端的に言えば納得して貰う必要があるということになります。
そこでこのコンテンツでは、相手に納得して貰えるメッセージ作りのテクニックを2つ解説します。いずれも「初心者でも使い易く・成果を出しやすい」テクニックですので、投稿はもちろん、お客さんとのトークにもご活用下さい。
Contents
テクニックその1:PREP法
では早速、1つ目のテクニックを紹介していきます。まずは初心者でも簡単に使えて効果を出しやすい「PREP法」からマスターしていきましょう。
PREP法は4つのパートから成り、先に結論を示して相手の興味を引き、相手に生じる疑問に対する回答を返し続けて相手を納得させる構成になっています。詳細は下表を参照下さい。
※このテーブルは、横にスクロールします。
パート | パート名と役割 |
1 | P(Point:要点、結論)※先に主張の要旨を示す |
2 | R(Reason:理由)※要旨の理由を示す |
3 | E(Example:例)※実例/又は証拠(Evidence)を示す |
4 | P(Point:要点、結論)※再度要旨を繰り返す |
投稿したいと思うネタが出るたびに、上で示した表を見ながら投稿を組み立てればOK!
…なんですが、これだけではイメージが湧かないかもしれないので、次のセクションでもう少し詳しく解説していきます。
PREP法でメッセージを上手くまとめる3つのポイント
以下例文のテーマは、「独自ドメイン+ウェブサイトの必要性」です。WordPressサイト運営の決め手(の1つ)となる、重要なテーマですね。
まずはざっと一読してみて下さい。先に主張を述べ、読み手の心に生じる疑問に答えながら、主張の正当性を展開していることが分かるはずです。
インターネット集客で成功するために絶対に必要なもの。それは、独自ドメイン配下に作るウェブサイトです。(P)
何故かと言うと、独自ドメイン配下に作るウェブサイトは他社サービスに一切依存していません。そのため、サービス側の規約変更や終了といったリスクの影響を一切受けないからです。(R)
他社サービスを使うリスクの実例を挙げると、過去には無料ブログサービスが商用利用禁止となり、ビジネス目的で利用していたユーザーがサイト閉鎖に追い込まれた事例がありました。
また、ウェブサイトではありませんが、2013年にはGoogleがRSSリーダーの提供を中止した結果、数十万人以上のユーザーが乗り換えを余儀なくされたという事例も起こっています。(E)
このような他社サービス側の都合によるリスクに影響されない為にも、独自ドメインを取得してウェブサイトを運営することが必須となるのです。(P)
作成時のポイントを以下に列挙しておきます。
ポイント1:主張(要点、結論)は1つにする
主張が多いと読み手(聞き手)の混乱を招き、本当に伝えたいことが伝わらなくなることがあります。「1つのメッセージで主張するテーマは1つ」という基本を守ることで、こうしたトラブルを防ぐことが出来ます。
ポイント2:理由も限りなくシンプルにする
理由を多く挙げるのもNG。話が膨らみ過ぎて、まとめるのが大変になります。最初の段階では、「1つの主張に1つの理由」という構成で作ってみて下さい。その方がメッセージの質も向上するし、量も稼げます。結果、投稿も長続きします。
ポイント3:事例(証拠)は必要なだけ出す
反対に、事例(証拠)については多い方が良いです。売り手/買い手以外の第三者による事例(証拠)が多いほど、説得力を持たせることが出来るからです。
但し、多過ぎ・長過ぎで読む(聞く)意欲を失わせない様、主張との関連性の高いものだけを厳選することと、極力シンプルに伝えるよう努めて下さい。
PREP法に関する説明は以上です。…結構簡単だと思いませんでしたか?
このように、PREP法を使えば簡単に相手に納得して貰える文章やトークスクリプトを作ることが出来るようになるのです。
テクニックその2:AIDAの法則
PREP法を使ったメッセージ作成に慣れてきたら、もう1つの型も習得していきましょう。次に紹介するのは「AIDAの法則」です。
AIDAの法則はコピーライティングでも基本中の基本とされる型で、PREP法と同じく4つのパートから構成されています。詳細は下表を参照下さい。
※このテーブルは、横にスクロールします。
パート | パート名 | 役割 |
1 | A(Attention:注意) | 冒頭で読み手(聞き手)注意を引く |
2 | I(Interest:関心) | 読み手(聞き手)の関心を高める |
3 | D(Desire:欲望) | 読み手(聞き手)の欲求を高める |
4 | A(Action:行動) | 読み手(聞き手)に行動を促す |
PREP法との最大の違いは、AIDAの法則は「相手に何らかの行動を起こさせる」という目的にフォーカスしていること。なので最後は必ず行動を喚起(CTA:Call To Action)して締めます。
そのため、見込み客や顧客に対して、「今すぐ何かして欲しい」時に使います。具体的には、来店や申し込み/購入を促す時だけ使うようにしましょう(毎回煽るのは好ましくありません)。
PREP法をマスターしてAIDAの法則を使いこなす
分かるようで、分からないようで…と思ったかもしれません。実際私がライティングをお教えしている方に聞いてみると、このような感想が最も多いので。
でも、ご安心下さい。PREP法をマスターすれば、AIDAの法則も使えるようになるのです。その理由は下の表を見て貰えれば一目瞭然です。
※このテーブルは、横にスクロールします。
PREP法のパート | 役割 | 付加する要素(AIDA) | 結合後(実際の作成パート) |
P(Point) | 要点、結論 | 注意を引く(Attention) | 注意を引く「主張(結論)」 |
R(Reason) | 理由 | 関心を高める(Interest) | 関心を高める「理由」 |
E(Example) | 例(証拠) | 欲求を高める(Desire) | 欲求を高める「例/証拠」 |
P(Point) | 要点、結論 | 行動を促す(Action) | 行動を促す「結論」 |
まずはPREP法で学んだ通りの構成であらすじを作ります。そして上の表で示した「付加する要素」に従い、メッセージを仕上げていくと比較的簡単に行動を促すメッセージを作ることが出来ます。
お客さんにオファーを出す時などのここぞという場面では、上の表に従ってメッセージを組み立ててみて下さい。相手の納得を得つつ、行動を促すメッセージが作れるはずです。
なお、AIDAの法則を使ってメッセージを作成する際のポイントはPREP法と同じです。主張と理由はシンプルに。根拠となる実例や証拠については手厚くすることを心掛けて作成していきましょう。
AIDAの法則を使ったスクリプトの例
最後に、AIDAの法則を使った例を挙げます。今回はトークスクリプトです。
トークにした方が読み手(聞き手)の感情も可視化されるので、雰囲気がつかみやすくなるはずです。
それではいってみましょう。
解説
商品・サービスを購入するか否かを考えている時、見込み客の頭の中では様々な疑問が飛び交っています。あなたも「買う/買わない」で迷ったときには、上の例のような疑問が浮かんでいたはずです。
商品・サービスを認知して貰い、購入につなげるための重要なポイントは、文章であれトークであれ、見込み客の心の声とテンポよく掛け合うこと。
相手(見込み客)は、自分の中に浮かんだ疑問に対する答えが欲しい訳です。売り手が自分の疑問に答えてくれないと感じたら、相手は醒めてしまいます。醒めれば購入には至りません。
だから見込み客の心の声とテンポよく掛け合って、相手の気持ちを醒めさせないようにする必要があるのです。投稿やトークスクリプト作成時には、この点を意識して作ってみて下さい。
まとめ
相手の納得を生み、行動を促すメッセージを作る「型」についてお伝えしてきました。
ここでお伝えしたシンプルな2つの型を使って、ウェブサイトの投稿やセールストークを作ってみて下さい。分かりやすく、それでいてパワフルなメッセージを簡単に作れるようになります。
最初は難しいと感じるでしょうが、実践を重ねれば重ねるほどメッセージの内容も洗練され、作業時間も短くなります。そして何より、相手の反応が変化していくさまを体感出来るはずです。
あとは実践あるのみです。頑張って下さい。